木村多江は「貧乏が似合う」…「阿佐ヶ谷姉妹」怪演で「不幸が似合う」に続き2つ目の“称号”
さて、本題は木村多江である。大手広告代理店の社員と結婚し、子供もいるが、21歳で父親が急逝したことでアルバイト掛け持ちの大変な時期があったそうで、それが演技に生かされたのか、庶民的な顔立ちともらった役柄がそうだったのか、「不幸が似合う」女優として知られている。
最初はドラマ「リング~最終章」と「らせん」の貞子役の呪う女で存在感を見せた。出世作は2011年の「カレ、夫、男友達」だと思う。このドラマではDV夫に頭からマヨネーズをかけられ、椅子で腰を殴られる不幸な主婦役が話題になった。今では「日本一不幸な女優役が似合う」と忖度(そんたく)して書かれるようだが、当時は「日本一不幸が似合う女優」と書いた。本紙インタビューでは「不幸が似合う」と言われることに「ありがたいことです」と語った。
3年前に中谷美紀と共演した「あなたには帰る家がある」では、モラハラ夫への逆襲で、不倫する主婦も演じて話題になった。木村は「不幸な女」に続く「貧乏な女」の称号を手にすることになるだろうか。
(文=峯田淳/日刊ゲンダイ)