五木ひろしの光と影<20>「紅白」と「レコ大」を制するということは「日本の歌謡界を制すること」だった
「その年に最もヒットした楽曲を顕彰する」と名目があるのだから、数字的に最も売れた楽曲が選ばれるかと思いがちだが、実はそうではない。「売れ行き」「世間への浸透度」「歌手の活躍度」も選考基準に含まれる。数字だけが基準ではないのだから、早い話が曖昧で、必然的にマスコミや音楽評論家からなる選考委員に影響力を持つ大手プロダクションの所属歌手が有利となる。
しかし、逆の見方をすれば、その影響力を上回れば、受賞の可能性は高まるということになる。野口修はそこに目を付けたのだ。(つづく)