テレビ業界が“ホワイト職場”アピールの滑稽 日テレは「AD→YD」に、「~ちゃん」呼び禁止の局も
■東映の撮影現場で起きたセクハラ問題
昨年暮れには、東映社員の女性が、テレビ番組の撮影現場でベテラン制作スタッフからセクハラ被害に遭った上、不当な過重労働を強いられたとして、同社側に対応の改善を求めていることが報じられた。女性は「アシスタントプロデューサー(AP)」の肩書きを与えられ、番組の制作期間中に1日13時間以上働くこともあり、それが原因で体調を崩して21年3月から休職することになったという。本来ならセクハラを働いたスタッフを厳しく罰するべきだろうが、東映側としてはスタッフルームにセクハラに関する注意喚起の張り紙を掲示して終わらせようとした。そして、その後、驚くべき対応が現場に通達された。
「日テレのような呼称の変更ではないのですが、東映が絡むあるテレビ局のテレビの撮影現場では、スタッフのことを『~ちゃん』と“ちゃん付け”で呼ぶことを禁止する旨が伝えられました。さらに、男性スタッフと女性スタッフを『~君、~さん』と区別することも禁止で、“『~さん』に統一してください”と言われたのです。セクハラ問題の再発防止策なのは明らかですが、スタッフの呼び方は人それぞれ。性的な意味は含まずを親しみを込めて“ちゃん付け”で呼び合っているスタッフもたくさんいたため、今、現場は大混乱しています」(制作会社関係者)
何でも形から入ろうとする日本の企業風土が現場の混乱を招いていることに経営者たちはそろそろ気づくべきだろう。