ワリエワ選手はとても可哀想だったけど…
昔はドーピングという言葉も知らなかったが、確かジョイナーやベン・ジョンソンあたりの時代からか、耳にするようになった。世界のトップアスリートたちには、小さな頃から素晴らしいコーチや専門のドクターが練習だけでなく健康管理も徹底して行い、普段の風邪薬や胃薬を飲む場合でも全て調べてから、という徹底ぶりで、うっかり服用することはあり得ないそうだ。プレゼントされたお菓子や飲料、お弁当も全て調べられ、それから食べるか我慢する癖がついているらしい。素晴らしい。それでもまさかの飲み合わせなどでドーピング検査に引っかかり出場出来なかった! という選手もいる。
本来なら検査は絶対であり、ワリエワ選手はドーピング検査で陽性反応がバッチリ出たのだから、そこでアウト! 失格なはず。なのにスポーツ仲裁裁判所(CAS)が、16歳未満は「保護対象者」なので(つまり子どもなので)可哀想じゃないか、となったのだ。だが、逆に世界中から叩かれてプレッシャーの中、フリーでは何度もヨロケ、転び、本当に気の毒な結果となり、15歳の女の子は泣いた。とても可哀想だったが、銅メダルに輝いた坂本花織選手の美しい涙とは対照的に思えた。