「ドライブ・マイ・カー」大快挙も…アカデミー賞に見る日本の映画製作の課題
3月28日(日本時間)、2022年(第94回)アカデミー賞授賞式が行われ、『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞したウィル・スミスが妻であるジェイダ・ピンケット・スミスの外見を揶揄し屈辱的なジョークを言ったプレゼンターのコメディアン、クリス・ロックに平手打ちをしてしまったことが話題をさらいました。これは人種やジェンダー、障害などを含む全ての差別を無くすことを掲げるアカデミー賞にとっては最大の汚点となったのです。
それでも今年の受賞結果は、アカデミー賞にふさわしい作品がずらりと並び、充実した発表になったのは間違いありません。特に注目したいのは、11部門12ノミネートで最有力に思われた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が作品賞の受賞を逃し、ジェーン・カンピオンが監督賞のみ受賞。代わりに『コーダ あいのうた』が作品賞、助演男優賞、脚色賞という全てのノミネートを受賞したことであり、『ドライブ・マイ・カー』が4部門ノミネート(作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞)のうち国際長編映画賞を受賞したのも日本では喜びのニュースとなりました。
■作品賞受賞『コーダ あいのうた』が映画製作にもたらした変革