四月大歌舞伎 猿之助・仁左衛門・玉三郎の奮起でも客席埋まらず
歌舞伎座から遠ざかっている市川海老蔵だが、5月の「團菊祭」に出ることが決まり安心していた。ところが先月末から、さまざまな話題で世間を騒がしている。そのなかに、「延期されている團十郎襲名披露公演を、松竹ではなく、国立劇場を借りて自主公演で行うのでは」という臆測が、日刊ゲンダイに出ていた。
■どうなる「團菊祭」
国立劇場は1966年に開場したが、当時、海老蔵の祖父にあたる11代目團十郎が松竹を出て、国立劇場専属になるという計画が進んでいた。だが65年に11代目が急死したので、その計画は実現をみなかった。そんな昔の話を思い出す。
さて、今月の歌舞伎座、第1部は大河ドラマに出演している市川猿之助と片岡愛之助に、尾上松緑が加わっての「天一坊大岡政談」。
猿之助は将軍のご落胤(らくいん)と偽り天下を狙う悪人、天一坊で、愛之助がその悪の参謀、松緑がそれを裁く大岡越前。猿之助と松緑の共演は珍しい。2人の演技のアプローチが異なるので、統一感はないが、お互いに探り合う役なので、かえっていいのかもしれない。