女子アナは日本独特の存在、良くも悪くも「会社員以上、芸能人未満」
昨年4月に「週刊文春」が報じた、フジテレビの「ステマ事件」を覚えているだろうか。「女子アナ」という職業の“あざとさ”と“難しさ”が集約された形だと、私は感じている。
発端はフジテレビの女子アナが、1回3万円ほどする高額なヘアサロンやネイルサロンの施術を無料でサービスしてもらい、見返りに写真とお店の情報を自身のSNSで紹介し“ステルスマーケティング”だと問題になったのだ。
これがタレントなら、お互いの宣伝になるならウィンウィンだろう(もちろん、広告の側面を隠して、あくどい商品を広めるのはNGだろう)。しかし、彼女たちは上場企業の会社員であり、フジテレビの女子アナという肩書を利用して別の利益を得たことになるので職務規定に反するはずだ。
フジテレビの対応は「悪気があったわけではない」として、あいまいに処理されたが、アナウンス部長を経験した私の感覚では、そう軽く受け流せる内容には思えなかった。もしも自分がアナウンス部の部長だったら……該当アナは異動となり、自分も減俸だろう。