著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

COWCOWの「伊勢丹の紙袋で~す」は衣装では珍しい“偶然の産物”だった

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 ボケの多田君とツッコミの善し君は中学からの同級生コンビ。2人とも人当たりが良くて、当時は「売れる!」とまでの確信は持てませんでしたが「絶対(お笑いの世界に)残れる!」とは思っていました。現に在学中に「素人名人会」(毎日放送)にオーディションを勝ち抜き出演して名人賞も獲得しています。

 卒業後は「フルーツ大統領」というユニットで大阪ではそこそこ人気がありましたが、ブレークとまではいかず、2001年に東京へ進出。この時、ツッコミの善し君の「東京はパッと見ただけでボケとツッコミわかった方がいいんちゃうか?」という意見を取り入れて、原宿の竹下通りにあったビジュアル系バンドの店でド派手なチェック柄のスーツを見つけて「こんなんでええかな……」とライブに出たところ、お客さんのアンケートには「伊勢丹」「伊勢丹」「伊勢丹」のオンパレード。関西育ちの彼らは伊勢丹の存在を知らず、「なんのこっちゃ?」と調べたら、東京には伊勢丹という有名な百貨店があり、自分のスーツの柄がそこの紙袋にそっくりだということを知った、という、いわば“偶然の産物”でした。その年の「M-1グランプリ」の準決勝で「伊勢丹の紙袋で~す」と言うと本人たちの予想をはるかに超えたドッカーンという大爆笑。「あまりにもつかみのインパクトが大きすぎてネタがつかみを超えられませんでした」(本人談)と一気にCOWCOWが認知されることになります。ヒットしたギャグにはチャーリー浜さんが「ごめんください」をかんでできた「ごめんクサイ」や大木こだまさんが1日何件もの食リポで言うことがなくなり、思わず言った「チッチキチー」など“偶然の産物”は数々ありますが、衣装では珍しいのではないでしょうか。

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