宮澤エマは“圧が強い女性”がハマる 上昇著しいサラブレッド女優の力強い存在感
歴史上では阿波局としか伝わっていない女性に「実衣」という架空の名前を付けたのは脚本を担当した三谷幸喜で、トーベ・ヤンソン原作の「ムーミン」に出てくる、おしゃべりでいたずら好きな人気キャラクター「リトルミイ」に由来するという(ミイはミムラ族の女の子で、その姉「ミムラねえさん」から芸名を付けたのが美村里江)。
宮澤エマは昨秋の「相棒season21」(テレビ朝日系)の初回SPにも南アジアの架空国家「サルウィン」の反政府運動リーダーの親友役でゲスト出演し、ほぼ現地語のみで演じた。
大河ドラマ、「相棒」に続き、今回の「罠の戦争」でも彼女は美しくて力強い登場人物を好演している。次期朝ドラ「らんまん」で演じる役も、チャキチャキしていて歯に衣着せぬ、ハッキリした性格の明治を生きた女性で、リトルミイ系女優の魅力を発揮して爽快な演技が見られそう。
圧が強い女性の役がハマる女優としては、米倉涼子、柴咲コウ、菜々緒、大河で姉の北条政子を演じた小池栄子らがイメージされるが、この数年で同じラインに浮上したのが宮澤エマだ。その存在感の強さは、ミュージカルでの経験によって培われたと言っていい。
しばらくは強い女の役が定番になりそうだが、そのうち強くない女性でもハマり役と出合って、今までの宮澤エマのイメージとのギャップで話題を集める日が来るはずだ。そのとき、彼女の主演級女優としての新しいストーリーが始まるだろう。