西崎緑さん芸道60周年 「思い出の1枚」は20歳の記念の曲のヒット祈願で恩師・遠藤実さんと

公開日: 更新日:

いるだけで空気が張り詰めるような威厳があった

 作曲家の先生は明るくてフレンドリーな先生が多いのですが、遠藤先生はまったく違っていました。威厳があり、厳しかった。いらっしゃるだけでパーンと周りの空気が張り詰める。お見送りする時は門下生がズラッと並んで、お車が見えなくなるまでお辞儀する光景を何度か見たことがあります。

 その後、20歳の記念に「おもいで湖畔」を書いていただきました。その時に、巣鴨のとげぬき地蔵で先生と一緒にヒット祈願をしたのがこの写真です。

 この写真の後はしばらくお目にかかる機会がありませんでした。私が時代劇のお芝居に出ていた時のこと。他の出演者の方とのご縁で観劇に来られ、私が出演しているのを知って楽屋にいらしているというので、化粧も途中のままご挨拶したことがあります。先生は「西崎くんが出ていたから」とおっしゃっていましたが、私にとっては感激の再会でした。

 最後にお会いしたのは5歳の娘を連れてご挨拶に伺った時。娘を見ながら私はデビュー当時を思い出し、書いていただいた「ちいさなプリンセス」は本当に夢のある名曲だと思いますと改めて申し上げたら、とても喜んでくださって。逝去されたのはそれからしばらく後です(2008年)が、娘まで紹介することができた喜びは今でも心に残っています。

 63歳になったので、芸能人生は60周年。20歳くらいから人生をかけて歌手や女優を目指してきた方とは数字の重みが全然違うと思いますが、私なりに一生懸命でした。これまで周年はやってきませんでしたが、還暦を過ぎて初めて「60周年」と言ってみようかなって(笑)。初心に返ったつもりで記念曲「かもめ」をリリースしました。雰囲気が「旅愁」みたいとおっしゃる方も多くて。デニムの着物を着ているCDのジャケットも評判がいいんですよ。

 舞台やライブもやります。ライブでは日本舞踊の「深川マンボ」も踊ります。

(聞き手=浦上優)

■芸道60周年記念曲「かもめ」(カップリング「旅愁」)
 時代劇名作シリーズの舞台「梅川・忠兵衛」二幕(6月23~25日、銀座・博品館劇場)
 三波豊和&西崎緑 ジョイントライブⅢ(7月7~9日、23日、ラ・ドンナ=渋谷区神宮前)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」