歌手・俳優の山崎ハコさん 3年前に最愛の夫が他界「彼の魂が宿る4畳間で寝起き、ギターと同居」

公開日: 更新日:

山崎ハコさん(歌手・俳優/65歳)

 1975年にアルバム「飛・び・ま・す」でメジャーデビュー。フォークギターの弾き語りで女の情念を切々と歌い上げ、若者の熱狂的な支持を集めた山崎ハコさん。2012年には東日本大震災をテーマにした「縁-えにし-」が日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞。瀬々敬久監督の「ヘヴンズ ストーリー」(10年)で本格的に映画女優デビューし、第25回高崎映画祭で最優秀助演女優賞を受賞するなど、歌手、俳優として活動してきた。20年にギタリストで最愛の夫・安田裕美さんを大腸がんで亡くしたが、今どうしているのか。

■一周忌に彼のCDを出すために奔走

「ずっと二人三脚でライブをやってきたし、彼が亡くなった後は喪失感からずっと泣いて暮らしました。でも、それじゃいけないと思って、一周忌に合わせて、彼の残した膨大な演奏の中から厳選した曲をCDにしようと、楽曲の許諾交渉から始めました。忙しくしていると寂しさも紛らわすことができたのです。『ギタリスト安田裕美の軌跡』と題したCDをリリースした後はホッとしました。一周忌に合わせた送る会でCDを渡すのが目標でしたから。その大変な作業の前にお墓を決めていたのが良かったです。

 彼は北海道、私は九州だから、東京にお墓を買えばいつでもお参りに行けると思い、都内の納骨堂にしました。永代供養ですが、子どもがいないから、私が死んだら観音様の下に一緒に入ることになっています。『どちらかが先に死んでも後を追うのだけはやめよう』『命をまっとうしよう』というのが約束だったから、一緒になるのはまだまだ先になると思います」

 新宿の喫茶店で会ったハコさん、こう言って笑った。

「しゃべらない」「笑わない」「暗い」というイメージのハコさんだが、饒舌だし、よく笑う。

「事務所の意向で『暗さ』がセールスポイントになってしまったけど、16歳の時、オーディション番組『スター誕生!』に出たこともあるんですよ。予選落ちしましたけど(笑)。でも、デビューしてから20年以上もの間、印税がもらえることも知らなくて、事務所は毎月何万円か現金で手渡してくれましたが、友人にアドバイスされて社長と交渉したら、けんもほろろ。いろいろ理由をつけられて帰されました。1998年に事務所が倒産し、住んでいた部屋も家賃滞納で追い出されましたが、その時、社長が新しく作って私に渡した預金通帳には1000円しか記載がなかったんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇