性加害告発も、35年無視され続け…当事者の会が突き付けた「ジャニーズ逃げ切り許すまじ」
ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題を巡り、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が、今週7日に行われるジャニーズ事務所の会見を前に4日、都内で記者会見を開催。事務所への提言を行った。
すでにジャニーズ事務所に送付済みという「要請書」では、先日の国連の人権問題の専門家による指摘や「外部専門家による再発防止特別チーム」による「調査報告書」にのっとり、「被害者救済措置制度」を速やかに構築するべきだと主張。「事実究明・対話救済基金」を設立し、当面10年を目安に「事実究明・対話救済委員会」を設置すべきと訴えた。基金には、ジャニーズ事務所や藤島ジュリー景子氏、白波瀬傑取締役個人の他、先日の「調査報告書」で「マスメディアの沈黙」と指摘されたテレビ局などメディア各社も任意で資金を拠出することも提言された。
会見に同席した杉山和也弁護士は「過去の判例からこの手の事案の慰謝料の相場は100万円から150万円だが、例えばジャニーズ事務所から一方的に、被害者に一律100万円を給付して、司法的に20年を過ぎたものは時効であるとされたら真の救済にならないという考えから、今回の提言をさせていただいた」と説明した。
■「実態把握には程遠い」
その後の質疑応答では、「もう一度、事実究明を要請するということは特別チームの調査報告は不十分という認識か」という記者の質問に対し、同会の石丸志門副代表は「実際にヒアリングした人が21名では不十分だと思います。実態把握には程遠いので、事実究明を専門とする部会が必要だ」と答えた。
さらに会見の中で、当事者の会が刑事告発や海外での訴訟や人権救済の申し立ての準備をほのめかしたことに対し、「対話による救済の場を提案しておきながら、刑事告発や海外での訴訟をチラつかせることは矛盾していないか」という記者の質問に、同会の平本淳也代表はこう答えた。
「35年間も、無視されて、バカにされ続けながら訴え続けてきたが、結局、ジャニーズ事務所は、今まで一度も認めていないし、謝罪もないわけですよ。国連、特別チームと、前進してきているけど、これだけ提言しても相手はどう出てくるかわからない。まだ“ゼロ地点”にも立ってない。怖さはあります。相手は変化球で来るかも知れない。僕たちは吹けば飛んでしまうような存在ですから、多くの声をあげられない被害者のためにも、できることは全部やっておきたかった。7日の会見を黙って待っていることはできなかったんです」