宮川大助・花子が語る芸人の矜持と信念「生きていることの美学を描いた漫才をやりたい」
ICUで「オリックス優勝したで」
──舞台ではマイクなしの地声で通しました。
花子「よくがんの方が舞台に立つというと、ガリガリになって、か細い声なんて思うでしょ。私痩せもしないし、肌ツヤもいいからみんなビックリしはる。看護師さんもビックリしはんねん」
大助「でもね、去年10月は救急車で運ばれて。体がジャブジャブ言うから一睡もできなかったって言ってたら、実は薬の副作用で肺に水がたまって、一時は心肺停止になったんです」
花子「ICUに入ってたら看護師さんが『ご主人からご挨拶が』って、ウチの夫、何かあったんかな、思うたら『オリックス優勝したで』て(笑)」
大助「救急車で搬送されるまで一緒にオリックスの試合を見てて、これはちゃんと教えといた方がええなと思ったんですよ」
花子「こっちは死ぬか生きるか言うてんのにそんなことどうでもええやんか、ウチの主人面白いでしょ。感覚がちょっと違うんですよ」
──今後やりたいことはなんでしょうか。
大助「翁と媼のおまえ100までわしゃ99までみたいなね。年をとること、生きていることの美学を描いた漫才をやりたいと思います」
花子「お客さんが教えてくれるから。やりたいということはないです。ちゃんとしっかりして、病気治して、皆さんの前で恥かかぬように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!」
(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)