大泉洋「室町無頼」で時代劇の完全復活なるか? 「侍タイムスリッパー」は興収8億円の大ヒット
昨年は真田広之がプロデュースも兼ねた主演作「SHOGUN 将軍」がエミー賞で18部門受賞、製作費2600万円の「侍タイムスリッパー」が興行収入8億円を超える大ヒットと、時代劇が話題を集めた。そして年明けの1月17日から大泉洋主演のアクション大作「室町無頼」が公開中だ。
これは垣根涼介の同名小説を入江悠監督が映画化した作品。時は大飢饉と疫病が日本中を襲った、応仁の乱前夜の1461年。生活に苦しむ民衆のために、日本史上、初めて武士階級として一揆を起こした首謀者・蓮田兵衛と、その仲間たちの活躍を描いた一大エンターテインメントである。剣客でもある兵衛をカッコよく演じる大泉をはじめ、彼の旧友で今は幕府の手先になっている宿敵・骨皮道賢に堤真一、兵衛と師弟のような関係で結ばれる「六尺棒」の達人・才蔵役に長尾謙杜、さらには松本若菜、柄本明、北村一輝ら個性的なキャストが顔をそろえている。
この映画が注目されるのは、東映と東映アニメーションが手を組んで作られた時代劇大作であること。東映アニメーションは「デビルマン」(2004年)から実写映画にVFXで参加してきたが、私は「デビルマン」の撮影現場を実際に見て、あの時は実写とCGアニメーションの表現が連動していないのが気になった。以来20年、東映アニメーションは「男たちの大和 YAMATO」(05年)で迫力ある戦艦大和での戦闘シーンをVFXで実現し、「ハッピーフライト」(08年)や「ヤッターマン」(09年)など、東映作品以外でも実写映画のVFXを担当して技術を磨いてきた。そして今回、初めて本格的に東映時代劇のVFX表現にチャレンジしている。