フジテレビCMスポンサー撤退ドミノで窮地なのに…「前代未聞のずさん対応」と識者2人がバッサリ
一方、企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、元社会構想大学院大学教授の白井邦芳氏もあきれてこう言った。
「この手の問題は、株主であるダルトンが言う通り、独立性を確保した第三者調査委員会を設置して調査、再発防止策を提示するのが本来のやり方です。今回の件で、性加害問題や人権問題に関してフジテレビの認識の低さが露呈しました。表面上の説明責任を果たすために、あのような形をとったと思いますが、印象操作を優先するあまり、国民は誰も納得できず、火に油を注いだ結果にしかなりませんでした。私も500回以上、不祥事をはじめ企業の会見に携わっていますが、ちょっと考えられないずさんな対応です」
白井氏は、フジテレビの一連の対応は、ダメージコントロールばかりが先行していて、危機管理の専門家が携わっているとはとても思えないという。
「今回の件で、フジにCMを出稿しているたくさんの企業から私のところにも相談がありました。広報に脅迫まがいの電話が入っているそうです。そもそもフジテレビは初期対応からしてすべてが間違っていた。最初の報告が入った段階で、中居氏個人の問題とせず、自社の社員の関与がなかったのか厳密に調査すべきでした。現在、フジテレビのガバナンスは完全に機能不全に陥り、自浄能力は欠如しているとみられていますから、今後、第三者調査委員会による厳密な調査、再発防止策、それと経営陣の辞任など相応の責任を取ることをハッキリさせなければ、スポンサーは到底納得できず、この状態は変わらないでしょう」