「カスハラ」か「正当なクレーム」か、それが問題だ…東京都の「防止条例」4月1日に施行
4月1日から施行される東京都のカスタマー・ハラスメント防止条例によると、客が従業員に対し、暴行、脅迫、その他の違法な行為、または正当な理由がない過度な要求、暴言、その他の不当な迷惑行為を行って就業環境を害することをカスハラというらしい。
防止条例に罰則規定はないが、「一定の抑止力にはなるでしょう」と生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は話す。
「ウチなんてカスハラしかないもんね」と東京・銀座のスナックママが苦笑いでこう続ける。
「〈おっぱい触らせろ〉は過度な要求、〈ブスのくせに〉は暴言、泥酔してへたくそなカラオケは100%迷惑行為。いちいち気にしていたら商売にならないでしょ。出禁にすればいいとか言うけど、迷惑な客が太客の紹介だったりすると、むげにはできないから」
出禁にはできん、なんて寒いオヤジギャグはさておき、弁護士ドットコムが一般会員を対象に1月に実施したカスタマーハラスメントの実態調査によると、約10人に1人が「カスハラをしたことがある」と回答。そのうち7割が、その時は自分の言動がカスハラに当たる可能性があると認識していなかったという。