水野晴郎さんは打ち合わせの段階から、映画を語ることの“喜び”や“うれしさ”に満ちあふれていた
「水野さんにとって映画はどういう存在ですか?」と伺うと「私の人生のすべてでしょうね。ウソをついちゃいけないんだよ。人に迷惑をかけちゃいけないんだよ。女性を愛する、人を愛するっていうのはこういうことなんだ。生き方のすべてを映画から教わりました」。
男はこうしなきゃいけないんだ。こういう考え方もあると「○○主演の××という映画でこういうシーンがあるんです……」とすべて映画のシーンをたとえにして話され、よどみなく言葉が出てきて話が止まらない。セリフを一言一句インプットされている姿に、プロの仕事だなと心底感心させられました。
「映画の仕事に携われて本当に幸せでしたね。間違いなく私の天職でしょうね。映画の神様ありがとうですね」。ここまで言い切れる方はなかなかいないと思います。「生まれ変わったら?」「もちろん映画でしょう。映画っていうものがあってよかったですね。人生のすべてですから」としみじみ語っておられました。
生徒たちのネタの部分で「(セオリーにとらわれることなく)まず好きなことをしいや」と言っていますが、私も好きなことを仕事にさせてもらっている一人として、水野さんの生き方に少なからず影響を受けているかもしれません。天国では世界中のスターと映画談議に花を咲かせておられることでしょう。