ジュリー社長はもともと辞めたがっていた…再発防止特別チームの「勧告」は口実を与えただけ
もちろん、これだけ悪名が世界中に知れ渡った事務所から逃げ出すアイドルは、これからも次々に出てくる。その上、汚れちまった事務所に入ろうというジュニアは激減するはずだ。帝国崩壊は間違いない。
私は、特別チームがメディアの責任にもっと厳しく言及しなかったのは不満だ。テレビ局やスポーツ紙との癒着、大新聞の沈黙がジャニー喜多川を増長させ、性被害を拡大してしまったことは間違いない。これを機に、そこにこそメスを入れなければならないはずだが、そういう論調はほとんど見られないのはなぜか。
イギリスでは国民的人気司会者のジミー・サヴィルが死んだ後、彼が未成年者への強姦や性的虐待を繰り返していた「性犯罪者」であることが判明した。それを機に、芸能人による性的虐待への大規模な捜査が始まり、多くの大物芸能人たちが逮捕された。ジャニー喜多川の性的虐待が“確定”した今こそ、セクハラが横行する芸能界というドブを浄化しなければ、被害に遭う若者は後を絶たない。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)