新型人間ドック「ライフデザインドック」従来型との違いは
「医師は患者さんの伴走者でありたい」――。
医学研修生時代からこうした信念を堅持してきた東京慈恵会医科大学の横山啓太郎教授(腎臓・高血圧内科)はこの4月、傘下の「慈恵医大晴海トリトンクリニック」(東京・中央区)の所長に就任、「ライフデザインドック」を本格スタートした。
新型人間ドックは従来の検査項目に性格や運動機能の分析を加え、受診者に合った生活指導を行う。狙いは、寝たきりの原因となるサルコぺニアやロコモティブシンドロームの予防である。
「従来の人間ドックは現役世代が心筋梗塞や脳卒中などを起こさないことが目的でした。しかし、今後は80歳くらいまで働けて、90歳でもゴルフや旅行を楽しめることが目標になります。それを実現するには受診者自身が積極的に寝たきり防止に取り組む新たな人間ドックが必要なのです」
本院で国内初の生活習慣病に対して行動変容を促す「行動変容外来」を開設した横山教授は、病気に立ち向かおうとしない患者に手を焼いてきた。
横山教授が担当する患者さんに、Aさんという「生活習慣病」治療中の中年男性がいた。