猛暑で知られる岐阜・多治見 “元気の源”はヨーグルトに?

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TGK48は準備万端 熱中症対策のカギは乳たんぱくと乳酸菌

 この夏も酷暑による熱中症に警戒が必要だが、日本屈指の猛暑地帯である岐阜県多治見市で、元気な高齢者を代表するダンスグループ「TGK48」(TGK=多治見・元気・高齢者)のメンバーたちは、練習中の熱中症対策にドリンクヨーグルトを取り入れているという。なぜ、ヨーグルトが熱中症対策につながるのか。その理由に迫ってみた。

■年齢を感じさせないパフォーマンス その原動力

「TGK48」は多治見市で平成26年にスタートした、元気な高齢者が「踊って・歌って・飲んで・食べて」を実行することで多治見の元気を内外に発信するプロジェクトだ。名前の由来は、TGKが「多治見の元気な高齢者」で、48は人気のアイドルグループにあやかって付けられたという。

「サラリーマン時代のOB会に行くと、びっくりされます。『何でヒロさんが!? タコ踊りなら分かるけど』って言われたりしてね。みんなにあっと驚かれるのが快感になりました(笑)」とは、リーダーのヒロさんこと鈴木洋守さん(76歳)。

 サザエさんこと足立博子さん(69歳)も、「TGK48が参加したイベントがテレビで放映されたりすると、しばらく会っていない友人たちから電話がジャンジャン。その反響に驚きます」と話す。

家事でひと頑張りできるように

「TGK48」の昨年度のステージ数は25回。NHKや民放、地方局の番組でも取り上げられるほどの人気ぶりだ。8月4日に開催される「ござっせ」のイベントでパフォーマンスを披露するために猛練習中の「TGK48」だが、熱中症対策にヨーグルトを取り入れたのはなぜなのか。

「多治見の夏は、日本でも屈指の酷暑です。昨年の夏も猛暑が続き、この夏は熱中症対策に力を入れようとみんなで話していました。そんなとき、テレビや新聞で、ヨーグルトが熱中症対策と疲労対策の両方にいいという報道があった。ならば、ドリンクヨーグルトを練習の時に飲もうということになって、メンバーみんなで飲み始めたわけです」(鈴木さん)

「TGK48」のメンバーで元看護師の玉さんこと松本玉美さん(69歳)もこう話す。

「ドリンクヨーグルトに切り替えてから、これまでと違うことを実感しています。練習して家に帰るとクタクタだったのが全然大丈夫になった。まだ、家事でひと頑張りできる。びっくりするほど疲れなくなりましたね。もちろん、今のところ熱中症になっている人はいません」

夏場は腸内環境を整えることから

 ヨーグルトが熱中症対策にどうしていいのか。その理由を、「せたがや内科・神経内科クリニック」院長の久手堅司医師はこう語る。

「私たちの体は、暑ければ汗を出して体温を下げるように自動的にコントロールしています。その自動コントロールシステムの要が、発汗を促し体温を適温にしてくれる自律神経です。この自律神経がうまく働かなくなると発汗作用が鈍くなり、熱中症を引き起こしてしまいます。その熱中症の対策としてドリンクヨーグルトが優れている点が2つあります。1つは、整腸作用によって自律神経の乱れを整えてくれること。もう1つは、ヨーグルトなどの乳製品に含まれている乳たんぱくには、体の中に水分を貯めておく作用があることです」

 これがしっかり機能していれば、暑ければ発汗を促し、体温を一定に保ってくれるのだ。ところが、その自律神経が乱れてちゃんと働かなくなるとうまく汗が出なくなってしまう。すると体温が一定に保てなくなり熱中症につながるのだ。

「自律神経が乱れるのは、脳と神経のネットワークがうまくつながらない状態になっているからです。脳と腸は関係が深く、互いに影響し合っています。だから、神経の乱れや色々な病気を治すためには、腸内環境を整えるのはすごく大事なことです」 

 腸内環境を整えるためには乳酸菌などの善玉菌が必要で、善玉菌を補充すると腸内環境はちゃんと整うと言う。

「腸の状態が安定すると脳の状態も整い、自律神経も整って体全体が安定します。このことから、腸は第2の脳と言われているのです」

 もう1つの、乳たんぱくの水分保持効果とはどういうことなのか。

「乳たんぱくは乳製品に含まれているたんぱく質で、このたんぱく質を摂ることによって、体の中に水分を貯めておく効果が上がるという研究データが多く報告されています。だから、水やスポーツドリンクを飲むことに加え、ヨーグルトのような乳たんぱくを含む乳製品を摂ると、より効率的な熱中症対策になると考えられるのです」(久手堅医師)

 ドリンクヨーグルトなら、夏に食欲のない朝でも摂りやすいし、その中には、発汗で失われてしまうビタミンやミネラルなどの栄養成分も含まれている。この夏はヨーグルトを飲む新習慣で、熱中症になりにくい体づくりに取り組んでみてはどうだろう。

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