坂本昌也
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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

初の認知症治療薬が登場か?それまで脳を健康に保つ方法

公開日: 更新日:

 しかし、早期のアルツハイマー型認知症の治療薬は、ほかにも開発が進められています。認知症の治療に希望の光が差し込んできたと言えます。

■難聴によるリスク大

 そうなると、私たちが今すべきなのは、認知症の治療薬が登場するまで、なんとか認知症を発症せずに持ちこたえることではないでしょうか。

 アルツハイマー型認知症に対する危険因子はひとつだけではなく、複数の危険因子が長い人生のさまざまな時期に関係しています。小児期では「教育期間の短さ(8%)」、中年期では「難聴(9%)」「高血圧(2%)」「肥満(1%)」、高齢期では「喫煙(5%)」「抑うつ(4%)」「運動不足(3%)」「社会的孤立(2%)」「糖尿病(1%)」。数字は、その危険因子が完全に排除された場合、認知症の発症がどれだけ抑えられるかを示しています。つまり、これらの危険因子を一つ一つ排除していけば、それだけ認知症を発症する確率が減っていくのです。

 高血圧、肥満、運動不足、糖尿病はいずれも生活習慣病に関係しています。ぜひこれらの排除に努めていただきたい。着目すべきは「難聴」です。9%と、認知症に与える影響が最も大きい。「聞こえ」に何らかの問題を抱えている人は、補聴器の検討を早めに行ってください。

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