著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

精子力の「低下」「老化」の原因と防ぐポイント

公開日: 更新日:

 精子力にはこの肥満が大敵で、精子力を低下させます。肥満は、身体に「酸化ストレス」という身体の錆が溜まりやすくなります。これが精子に影響して精子力を低下させるのです。

 では、精子力を上げるためにはどんな工夫が必要でしょうか? 僕が患者さんにいつも説明していることをお話しします。それは、薬やサプリメントに頼るのではなく、まずは運動をすることです。

 Aさんは37歳のシステムエンジニアです。精液所見が不良で受診されました。お話を聞くと、コロナ禍の影響でこれまでの出勤から在宅での仕事となり、まったく運動をしていないようです。体重も20歳代の時に比べて10kg以上も増加しました。

 精子力と肥満のお話しをして、まずは、散歩などの運動から始め、週2回以上は有酸素運動をするようにして、減量をすすめました。運動をすることによって、肥満の改善だけでなくテストステロンも上昇することが関係しています。さらに、運動は酸化ストレスの軽減に関係し、アンチエイジングに働きます。運動は老化の低下につながるというわけです。

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