無精子症のAI病理診断 男性不妊症治療の普及につながるか

公開日: 更新日:

 男性不妊症患者に朗報だ。東邦大学医学部泌尿器科学講座の小林秀行准教授らの研究チームが世界で初めて、無精子症患者の精巣内の状況をAI(人工知能)で自動的に病理診断させるモデルを開発した。その論文が英科学誌「Scientific Reports」(5月10日付電子版)に掲載され、正診率は80%以上という。現在、日本の病理専門医数は2620人(2020年11月2日時点)。多くはがん専門で、精巣を診断できる病理医はほとんどいない。そのため、男性不妊症患者が病理検査を受けても結果を受け取るまで1カ月以上かかり、患者の精神的負担だけでなく男性不妊症治療が普及しない一因となっていた。開発した小林准教授に話を聞いた。

 WHO(世界保健機関)によると不妊症の原因は女性側のみ41%、男性側のみ24%、男女の双方24%、原因不明11%で、約半数は男性にも原因があるとされている。

 男性の不妊症の原因の8割は精子を正常に作ることができない造精機能障害で、精巣内で元気な精子を作る機能が低下していると考えられている。その最も重篤な病態が無精子症だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に