白川優子さん<4>ネパール地震では手術室の立ち上げを担当
国境なき医師団(MSF)というと、イラク、シリア、南スーダンなど紛争地での活動ばかりを思い浮かべるが、地震や台風といった被災地への派遣も行っている。実際、2011年の東日本大震災でも、MSFは救援に駆け付けた。
2015年4月25日、ネパールの首都カトマンズとその周辺でマグニチュード7・8の大規模地震が発生。死者約8500人、人口の3割の約800万人が被災するという甚大な被害をもたらした。
「地震当日に派遣の打診があり、すぐにネパールに向かいました。この時は2週間という短期の派遣で、私の任務は手術室看護師として手術室を立ち上げ、オペができる態勢を整えて後任に引き継ぐことでした。ガタガタの山道を7時間かけて走り、孤立した山岳の村アルガトに到着。まずテントを設営し、エンジニアらとともに必要な機材を組み立てて滅菌室を造りました。このように派遣には長いのも短いのもあって、長ければ1年くらい、短期だと3カ月とか、今回のネパールのような2週間という派遣もあります」
MSFの就業規則では、25日の年次有給休暇が付与される。3カ月に1回は約1週間ほど比較的長めの休暇を取るといったペースだ。