著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

中学受験は何年生からどのくらい真剣に準備すればいいのか?

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■SAPIXなどは1年生からのコースを用意

 勉強の習慣をつけるというのであれば、学習塾に通うのは4年生からではなく、もっと早くてもいいような気もする。SAPIXや早稲田アカデミーでは、1年生からコースを設けている。だが、「正直なところ、4年生からで十分だと思う」と話すのは、SAPIXの元スタッフだ。

「低学年から入室した生徒と、4年生からの生徒で、中学受験に関し、ほとんど差は出ていません。両親が共働きで子どもの面倒を見られないといった事情がある場合には、低学年のコースも役に立つでしょうが、それ以上の必要性はあまり感じられない」

 公開模試以外は学習塾を使わず、家庭学習によって中学受験を目指すのはどうなのだろうか。前出の学習塾経営者は否定的な見解を示す。

「親が教えるのは至難のわざ。中学入試のレベルは昔とそれほど変わっていないものの、ひねくれた設問が増えている。問題のパターンが出尽くしてしまって、受験者を惑わすような落とし穴が随所に盛り込まれるようになっているのです。こうした問題を解くにはテクニックも必要となり、やはり学習塾での経験がものを言う。かなり出来る親でも、なかなか対応しきれないのが現実です」

 6年生の時だけ通塾する方法もあるが、その前から通っている生徒と比べ、塾慣れしていないぶん、かなりのハンデを背負うことになる。学習塾の戦略に組み込まれるのは悔しいが、4年生から準備を始めるというのが中学受験のスタンダードになっているようだ。

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