貴重な標本がパーに…NYの大学が清掃会社に起こした100万ドル訴訟の行方は

公開日: 更新日:

 米ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学が清掃会社を相手取って起こした訴訟に注目が集まっている。

 2020年9月、細胞研究を行っている研究所で、超低温冷凍庫のアラームが誤作動を起こすトラブルが頻発していた。冷凍庫内には20年にわたる研究の成果である貴重な細胞標本などが保存されていた。

 まかり間違って電源を切られたら、貴重な標本がダメになってしまう。そこで「この部屋の清掃は必要ありません。アラームが鳴っても電源を切らないでください」と注意喚起する紙を張るなどの予防措置を講じていたのだが……。

 同年9月17日、アラームが誤作動を起こし、それを聞きつけたダイグル・クリーニング・システムズ社の清掃作業員がアラームを止めるためにサーキットブレーカーをオフ。冷凍庫の電源が切れてしまった。

 その結果、冷凍庫内の温度がマイナス80度からマイナス32度に上昇し、保存してあった細胞標本などが「壊滅的な損害」を被ったという。

 清掃作業員は「特別な支援を必要とする人」で、ブレーカーを切ったことを認めている。大学は清掃作業員の責任は追及せず、6月16日、従業員に適切な指示やトレーニングを行わなかったダイグル社を相手に100万ドル(約1億4400万円)の損害賠償を求める裁判を起こした。

 さてニューヨーク最高裁判所はどのような判断を下すか──。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…