鳥は人間が考えるよりも賢い 「鳥よけスパイク」はぎ取り巣の要塞化に活用
ベランダの手すりなどに取りつけて、鳥の飛来や侵入を防ぐ「鳥よけスパイク」。金属製ロッドや剣山などで鳥の着地を妨害するものだが、最近、カラスやカササギがこの鳥よけスパイクをはぎ取り、自らの巣を要塞化する例が世界各所で確認されているという。
オランダのロッテルダム自然史博物館とナチュラリス生物多様性センターの研究グループが今月11日、ロッテルダム自然史博物館の年鑑に論文を発表した。
写真(ロッテルダム自然史博物館の年鑑から)はベルギーのアントワープの病院の敷地内に作られたカササギの巣。病院建物から約1500個の鳥よけスパイクをはぎ取り、このような堅牢な巣を作ったという。
鳥の巣の専門家のオーケ=フロリアン・ヒエムストラ氏は英BBCにこう語った。
「この巣を見て呆然としました。これまでに見た中で最もクレージーな巣です。信じがたい要塞であり、掩蔽壕(えんぺいごう)です。鳥を遠ざける鳥よけスパイクを巣に使うなんて、これは『美しい復讐』です」
バーミンガム大学の鳥類学者、ジム・レイノルズ博士も「鳥よけスパイクを自分たちの目的のために利用するという皮肉に、心から衝撃を受けました。彼らは私が考えていたよりもさらに素晴らしかった」と語った。