「いじめられる側にも問題がある」にモノ申す! フランスと日本における“いじめ対策”の決定的な差
お金や教育、家事などの身近なテーマから、政治や環境問題などグローバルなジャンルにおいて、「日本で非常識とされていること」が、実は「世界の常識であること」は意外と少なくありません。それを知れば、日本人の根底にある「価値観の選択肢」を増やすことにつながるはずです。
ドイツ在住の日本人実業家で、世界に精通する人気インスタグラマーが48例に及ぶ世界のシン常識をまとめた初の著書「シン・スタンダード」より一部抜粋、再構成してお届けします。
◼️フランスではいじめた人は罰せられる
あるタレントさんが自死したというニュースを見た。自殺の理由として考えられることのひとつとして、「誹謗中傷」が挙げられていた。この国では、誰かが叩かれていると、まるで叩かれている人が悪いかのように扱われる。「叩かれている人」にばかりスポットライトが当てられる。
だけど、「叩いている人」にスポットライトを当ててみてほしい。ほぼ全ての場合、ロクでもない。名前も顔も出してないのなんて当たり前。言葉遣いも、タメ口なんて当たり前で、「し〇」みたいなことも平気で言う。
また、リアルな世界でなら、日本では初対面で敬語を使うのが当たり前なのに、ネット上ではそんなしきたりは無視だ。自分の姿が見えない暗闇から石を投げている感覚なのだろう。正直、ダサさの極みだ。ちなみに僕にも毎日のように誹謗中傷のコメントが来る。
最近、「なんか嫌なことでもあったんですか?」と返答したら、即ブロックされた。
自分でも恥ずべきことをしている自覚があるんだろう。
2022年、フランスでは「いじめ」について厳罰化する法案が通った。中学生だろうが高校生だろうが、いわゆる「いじめ」を行った人には罰が科せられるという。最大で、禁錮10年、罰金2000万円以上。いじめられた側が不登校になったとか、自殺してしまったとか、その状況によって、罰則は変わる。
賛否両論あるだろうけど、僕はこんなふうに厳罰化することには賛成だ。
「いじめ」は、いじめられた側は人生を棒に振るほどのダメージを受けるのに、いじめた側はのうのうと生きていく。そして日本ではまだ、「いじめられる側にも問題がある」というようなことも言われている。フザけるなと言いたい。
いじめが正当化される理由などあるわけがない。あなたの大切な人がいじめられた側だったら、同じことが言えるだろうか。そろそろ、「誹謗中傷している側にスポットライトを当てる」文化に変えていくべきだ。