初任給軒並みアップでも生じる“格差”…「基本給のみ」or「固定残業代込み」で天と地の差
賃上げ率5%超と33年ぶりの高水準となった今年の春闘。自動車や電機、鉄鋼などの大手企業が相次いで満額回答を出す中、やり玉に挙げられているのが新卒の初任給についてだ。
初任給を一律40万円に上げたアパレル企業のTOKYO BASEは新卒入社時点で、業界の平均年収346万円(クリーデンス「ファッション業界 職種別平均年収2022年度版」から)を上回る好待遇に。ほかにも、サイバーエージェントや楽天などがいずれも42万円、30万円と高水準だが、一見、引き上げられたかに見える初任給も企業間で“格差”が生じているという。
「人手不足が叫ばれる中、有能な若手を確保したい企業にとって、初任給の引き上げは必須です。初任給を一律で4割上げた東京エレクトロンなど、業績好調な半導体や商社などは初任給=基本給のところがほとんどで、残業代は別途出る形ですが、内需企業を中心に初任給に40時間分や80時間分の固定残業代が含まれているケースが見受けられ、SNSでやり玉に挙げられています」(経済ライター)
見かけ上、初任給を高く提示している企業では、内訳として基本給と固定残業代の金額と時間を明記しているところがほとんど。だが、人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう言う。