小林製薬は“サプリ大国”に冷や水浴びせた…日本は「紅茶キノコ」の時代から進歩なし?
アメリカでは、こうしたサプリの安全性や有効性に関する情報をNIH(米国国立衛生研究所)がHPで公開している。日本では厚労省のHPに同様のものがあったが、週刊ポスト(4月26日号)によれば、昨年突如、有効性情報はあるが安全性情報が削除されていたというのである(厚労省は調査中というだけ)。これでは厚労省は企業側の広報機関といわれても仕方あるまい。
NIHには紅麹(モナコリンK)について、「筋肉、腎臓、肝臓の損傷などスタチン系薬剤と同じ潜在的な副作用が発生する可能性」があると警告している。
小林製薬の事件はサプリ全盛時代に警鐘を鳴らした。メディアの役割は、小林製薬を叩きながら一方で大量のサプリ広告をたれ流すことではなく、広告と同じくらいのスペースを使って機能性表示食品の内実を検証報道し、厚労省に問いただすことではないのか。
サプリ愛好家が一番知りたがっていることもそこにあるはずだ。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)