小林製薬は“サプリ大国”に冷や水浴びせた…日本は「紅茶キノコ」の時代から進歩なし?

公開日: 更新日:

 アメリカでは、こうしたサプリの安全性や有効性に関する情報をNIH(米国国立衛生研究所)がHPで公開している。日本では厚労省のHPに同様のものがあったが、週刊ポスト(4月26日号)によれば、昨年突如、有効性情報はあるが安全性情報が削除されていたというのである(厚労省は調査中というだけ)。これでは厚労省は企業側の広報機関といわれても仕方あるまい。

 NIHには紅麹(モナコリンK)について、「筋肉、腎臓、肝臓の損傷などスタチン系薬剤と同じ潜在的な副作用が発生する可能性」があると警告している。

 小林製薬の事件はサプリ全盛時代に警鐘を鳴らした。メディアの役割は、小林製薬を叩きながら一方で大量のサプリ広告をたれ流すことではなく、広告と同じくらいのスペースを使って機能性表示食品の内実を検証報道し、厚労省に問いただすことではないのか。

 サプリ愛好家が一番知りたがっていることもそこにあるはずだ。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  2. 2

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  3. 3

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    「2025年7月」に大災難…本当にやってくる? “予言漫画”が80万部突破の大ベストセラーになったわけ

  1. 6

    兵庫県職員新規採用「辞退率46%」の異常事態…知事のパワハラ疑惑が原因なのか?昨年は25.5%

  2. 7

    大阪万博の今後に大きな不安…初日来場者11.9万人は「最大想定の半分」なのにトラブル続出のア然

  3. 8

    (4)多くの農家が潰れるから企業参入促進というおかしさ 間違った「議論の前提」が稲作を崩壊させる

  4. 9

    昭恵夫人に一私人らしからぬカネと力が… 安倍元首相の政治資金「2億4000万円」を“抜け道相続”していた

  5. 10

    「世界大学ランキング日本版」5回連続首位・東北大学の海外留学生重視と一般入試を止める日

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い