武雄市図書館(佐賀県・武雄市)吉野ヶ里遺跡の人気をはるかにしのぐ「本の森」
佐賀県は弥生時代の遺跡で日本最大の吉野ケ里遺跡が有名だが、人気でそれをはるかにしのぐのが武雄市図書館だ。
年間集客数は吉野ケ里遺跡の約60万人に対し、「平日は約1500人、年間約80万~100万人です」とは、広報担当の樋渡陽香さん。
2000年に開設され、13年のリニューアルオープンと同時に蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者に就いた。館内には佐賀県に11店舗しかないスターバックスや蔦屋書店が出店しており、コーヒーや買い物も楽しめる。
来訪者を圧倒するのが目に飛び込んでくる膨大な本の量だろう。1階からさまざまなサイズの本棚が出迎えてくれるが、特に壮観なのが2階壁際のキャットウオーク部分。1階からも見渡せるこの場所には、天井まで届く高書架が壁一面にズラリと配置されていて、ビッシリと本で埋め尽くされている。武雄市図書館の扉をくぐった瞬間、上から下まで本が視界を覆う。
「レイアウトのコンセプトは『本の森』です。中でも、料理・旅行・人文の3ジャンルはそれぞれ独立した部屋のような空間をつくっていて、より没入感を味わえるようになっています。また、利用者と本の出合いの機会を増やすために、約24万冊の蔵書のうち約22万冊を開架図書にしているのも大きな特徴です。この割合は他に類を見ないと思います」(樋渡さん)