袴田巌さん無罪確定に検事総長が“負け惜しみ”談話…弁護団事務局長「正直腹が立つ」と苦言
一家4人を殺害した事件で死刑が確定していた袴田巌さん(88)の再審請求裁判。静岡地裁が先月26日、袴田さんに無罪判決を下し、検察側の控訴の行方が注目されていたが、9日検察は控訴の権利(上訴権)を放棄。袴田さんの無罪が確定した。
「再審判決後の7日、袴田さんの弁護団が東京高検と最高検に対し、控訴をしないよう申し入れをしていました。それに対し、検察側は10日の控訴期限前の8日に断念を発表。これにより、58年間にわたって続けられてきた袴田さんの戦いに終止符が打たれました」(司法担当記者)
検察側は控訴断念と併せ、畝本直美検事総長名で「(裁判所が)捜査機関の捏造を断じたことは強い不満を抱かざるを得ない」などと談話を発表した。これには、「正直腹が立ちます」と袴田事件弁護団事務局長の小川秀世弁護士が憤る。
「検察は裁判が長期化したことについては謝辞を述べていますが、(証拠の捏造や取り調べの強要など)自分たちがしたことに対しての反省がまったくありません。控訴断念はマスコミや世論に押されてということがあったかもしれませんが、矛盾しています。(裁判所が断定した証拠品の捏造など)認めるべきところは認めるべきです」