ふるさと納税を「旅行で楽しむ使い方」を徹底ガイド
現地の支払いをそのまま寄付するサービス
旅先での体験を通じてふるさと納税サービスを提供する店舗型ふるさと納税「ふるさとズ」も面白い。このサービスは応援したい自治体の店舗などで直接寄付を行い、その場ですぐに返礼品を受け取れる。まだ使える自治体は限られるが、サイトを調べて希望の旅先があれば、会員登録をするのみ。スケジュールを組んだらレッツゴー!
例えばこの冬、スキーと温泉を楽しみたければ長野県野沢温泉村はどうか。野沢温泉スキー場のリフト&ゴンドラ1日引換券は寄付額2万3000円。対象の宿泊施設で利用できる3000円分の宿泊補助券は同1万円だ。野沢温泉村は、兵庫県新温泉町と共に名前に「温泉」がつく温泉地。東京からは北陸新幹線で飯山駅へ(約1時間50分)。そこから直通バスの野沢温泉ライナーで約25分で「野沢温泉中央ターミナル」に着く。およそ2時間半だからアクセスは悪くないだろう。
温泉街にはかけ流しの外湯が13。北信濃の名産「野沢菜」の発祥地でもあり、湯巡りしながら、おやきや漬物、温泉卵、温泉まんじゅうなどの食べ歩きも楽しい。
野沢温泉スキー場は、飯山駅から直通バスで25分。44コースを備えるゲレンデは、国内トップクラスの規模で世界中からファンが集まる。天然雪100%もウリだ。
ふるさと納税では「野沢温泉ものがたり寄附金」と称し、5つの応援メニューを用意。1998年の長野オリンピックでは、バイアスロンの競技会場になったことから、「世界に通ずるスノーリゾートづくり」を掲げ、寄付金は長野オリンピックモニュメントと聖火台移設事業などに活用。風雪により一部破損してしまった聖火台は、当時の作者で彫刻家の菊竹清文氏が新たにミニチュアを作製し、すでに設置している。
ウナギというと、土用との関連で夏に食べるイメージが強い。しかし、天然は秋から冬にかけて脂が乗り、この時季がうまい。養殖は温度管理がしっかりしていて、通年でおいしく食べられる。冬も侮れないのだ。
そこで、「ふるさとズ」では、静岡県清水町のウナギの名店「うな繁」の食事券などもそろえている。1万円の寄付で3000円の食事券がもらえる。清水町は富士山や駿河湾の絶景が望め、海や山を眺めながら静岡市に足を延ばせば、江戸時代の徳川家康を祭る「久能山東照宮」や三保の松原といった立ち寄りスポットも充実する。
こうした現地決済型の電子クーポンは全国の自治体で導入されている。JAXA宇宙科学研究所相模原キャンパスのある神奈川県相模原市は「ふるまちPay」を導入。スマートフォンで寄付をすると、加盟店で利用できる電子クーポンが返礼品としてすぐにゲットできる。返礼率は30%。