「賑わいが戻るまで10年はかかる」北陸随一の温泉街・和倉温泉が抱えるもどかしさ…夜の街も悲鳴
「正直、壊滅的ですよ」
地元住民はため息交じりだ。北陸随一の温泉街・和倉温泉(石川県七尾市)も、正月の地震で甚大な被害を受けた。先月下旬に現地を訪れ目撃したのは、復興が進まぬ実態だった。
温泉街には20軒超の旅館があり、今月上旬時点で通常営業を再開できているのはわずか4軒だ。特に、海沿いの大型旅館はダメージが大きい。海に面した9階建ての旅館は、建物が左右で真っ二つに割れ、片側は今にも倒れそうなほど傾いている。
全国的に有名な旅館「加賀屋」も営業を休止している。建物の外壁をよく見ると、いくつもの「×」状の亀裂が入り、被害の大きさがわかる。
震災から11カ月が経ってもこの状況。休館中の大型旅館の従業員は、もどかしい思いをこう明かす。
「大規模な工事となるとどうしても後回しになってしまう。解体が始まるのは今から1年後なんて話もあります。こんな調子じゃ、元の賑わいが戻るまで10年はかかるでしょう。国からの助成金は出ていますが、ウチは相変わらず経営が厳しい」