「賑わいが戻るまで10年はかかる」北陸随一の温泉街・和倉温泉が抱えるもどかしさ…夜の街も悲鳴
和倉温泉観光協会によると、今年1~10月の浴客数は約13万人(日帰りと宿泊の合算)で、前年同期比の4分の1ほど。しかも、その9割以上が災害復旧のための事業者やボランティアだった。
■共同浴場「総湯」は通常営業を再開
観光客が激減していることで、大打撃を受けているのは夜の街も同じだ。
飲食店のほとんどは営業を再開しているものの、多くの店が深刻な売り上げ減に頭を悩ませている。温泉街の中心地に店を構える居酒屋の店主はこう話す。
「うちの店では、震災後の売り上げはコロナ禍の半分以下です。前は日付が変わってからも人通りが多かったけど、今はまばらでお客さんも来ない。ただでさえコロナで経営が悪化していたのに、追い打ちをかけられました。この現状をもっと報じて欲しい。だけど、復興は思うように進んでおらず、ある意味話題がないから、メディアも取り上げにくいですよね……」
確かに復興の速度は遅い。しかし、一歩ずつ前進はしている。温泉街の中心にある共同浴場「総湯」は通常営業を再開しており、記者も広々とした館内でゆったりと温泉を満喫できた。