大学の一般選抜試験が本格化、受験生を狙う痴漢行為に要注意…安心して試験に臨める社会にするために
2月から大学の一般選抜試験が本格的に始まります。受験生にとって試験当日は人生を左右する重大な日。そんな日に電車の中で痴漢に遭ってしまっても、試験に遅れまいと通報をためらう受験生がいておかしくありません。悪質なことに、この受験生の心理につけこみ、痴漢をあおるような投稿がSNSやネット掲示板に書き込まれているのです。
痴漢行為は、各都道府県の迷惑防止条例または刑法176条の不同意わいせつ罪によって処罰されています。東京都の迷惑防止条例は、痴漢行為を行った者に対して6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。一方、不同意わいせつ罪に該当すると、6月以上10年以下の懲役(※令和7年6月1日以降は拘禁刑)となります。
痴漢行為の悪質性を総合的に考えて、迷惑防止条例違反か不同意わいせつ罪のいずれに当たるかを判断しますが、着衣の上から触れる行為の多くは迷惑防止条例違反となっているケースが多いようです。
しかし、被害を受けた後、不合格になった場合、受験生にとっては取り返しのつかない被害であり、精神的な苦痛は計り知れません。また、痴漢被害の慰謝料は、不合格になったから損害賠償請求が認められることはほぼないというのが現実です。