王子「山田屋」の古い酒燗器で燗した日本酒が間違いなくうまいワケ

公開日: 更新日:

第73回 王子(北区)①

 JR京浜東北線で都内を縦断すると、蒲田、大森などの大田区と王子、十条、赤羽の北区が似ていることに気が付く。

 誤解を恐れずにいえば、どちらも柄があまりよろしくない。今は減っただろうが、アタシが高校生くらいの頃はそれぞれのシマのツッパリ連中が遠征しに行ったり来たりとけっこう派手にやっていた。

 アタシは臆病なので田端より北に行くことは少なく、上板東映で映画を見て誰とも目が合わぬように帰宅していた。このエリアが面白いと思うようになったのは酒を飲み出した頃だ。

 大田区も北区も工場が多い。だから夜勤明けに飲みに来る人たちのために、朝からやっている居酒屋が多い。そして安くてうまい。今回お邪魔した「山田屋」もそんな店だった。

 現在は午後4時開店だが、アタシが初めて入った10年前は朝から客で賑わい、その店のたたずまいは100年の歴史を感じさせるものだった。コロナ禍をきっかけに改築した今でも、この店の歴史を感じさせる雰囲気がそこかしこに残っている。

 口開けと同時に店内へ。「いらっしゃいませ!」と、元気に迎えてくれたのは5代目の山田店長だ。以前の店に比べて広さは半分ほどだが、昔から使い込まれた細長い木のテーブルはいまだ現役だ。

 まずはチューハイ(350円)と名物半熟玉子(350円)を。一口ほどのそうめんが盛られた器に温泉卵が入っている。ずず~っと一気に流し込み、チューハイをぐびり。サイコ~。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  2. 2

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  3. 3

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    「2025年7月」に大災難…本当にやってくる? “予言漫画”が80万部突破の大ベストセラーになったわけ

  1. 6

    兵庫県職員新規採用「辞退率46%」の異常事態…知事のパワハラ疑惑が原因なのか?昨年は25.5%

  2. 7

    大阪万博の今後に大きな不安…初日来場者11.9万人は「最大想定の半分」なのにトラブル続出のア然

  3. 8

    (4)多くの農家が潰れるから企業参入促進というおかしさ 間違った「議論の前提」が稲作を崩壊させる

  4. 9

    昭恵夫人に一私人らしからぬカネと力が… 安倍元首相の政治資金「2億4000万円」を“抜け道相続”していた

  5. 10

    「世界大学ランキング日本版」5回連続首位・東北大学の海外留学生重視と一般入試を止める日

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い