福島・高湯温泉ホテル支配人ら3人死亡…源泉管理作業は「二呼吸で意識を失う、命がけ」当事者が語る危険度
まさしく命がけだ。福島県福島市の山あいにある「高湯温泉花月ハイランドホテル」の支配人と従業員計3人が17日、源泉管理作業のため同市の山間部に入り、遭難。18日午前、全員の死亡が確認された。現場付近は毒性の強い硫化水素ガスの濃度が高く、3人は中毒に陥った可能性がある。
高湯温泉は活火山の吾妻山のふもとにあり、全国有数の硫黄成分濃度の高さで知られる。源泉は、高濃度の硫化水素を含んでいることがある。源泉管理作業の危険性について、実際に従事している現地の関係者に話を聞いた。
■高湯温泉は週2回のメンテが欠かせない
「硫化水素ガスが充満している場所に足を踏み入れてしまえば、二呼吸で意識を失うといわれており、気付いた時にはもう手遅れです。作業中のリスクはそれだけでなく、クマに出合ったり、雷がすぐそばに落ちることもあるなど、命がけの作業です。それでも高湯温泉は、いわゆる“湯の花”が非常に多く、お湯を通すパイプ詰まりを防ぐため、どんな時でも週2回の清掃が欠かせません。また雪の影響でパイプがずれることもある。危険を承知で、頻繁にメンテナンスしなければならないのです」