よくある介護の悩み(1)夜眠れずに昼夜逆転…どうすればいい?
今回から、認知症の方を介護されているご家族からよく相談されるケースについてお答えしていきます。まず、多く寄せられるのは「昼間は横になっていて、夜は眠らずに動き出すので困っている」という悩みです。通常、昼間は起きて夜に寝る、という生活パターンが当たり前の健康的なリズムです。しかし、認知症の高齢患者さんでは、昼夜逆転した生活リズムになっている方は少なくありません。
そうなると、介護されている家族は大変です。みなが寝ている深夜にゴソゴソと動き回り、転倒して骨折したり、家を出て徘徊し帰宅できなくなって警察から連絡がきたり、行方不明になる恐れもあります。そのため、認知症患者さんが深夜に動き出すたびに家族は起きなければなりません。そうした昼夜逆転の生活が続いて疲弊しきってしまった……という介護をされている家族は少なくないのです。
こうした昼夜逆転の生活リズムを正常に戻すためにまず覚えておきたいのは、高齢になると睡眠時間が短くなるということです。われわれは40代であれば7時間くらい眠れるものですが、60代を超えると6時間程度になってきます。その理由はいくつかあり、中でも大きいのは「夜に眠るための体力が低下する」ためです。