出所後カジノで9億円を失い…大王製紙元会長・井川意高氏が明かす「バカラED」

公開日: 更新日:

 カジノでの使用目的で総額106億8000万円の資金を子会社から借り入れたことによる会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕・起訴され、2013年6月に懲役4年の実刑判決が確定した大王製紙元会長の井川意高氏(57)。同年10月に刑務所(喜連川社会復帰促進センター)に収監された直後に出版した「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」(双葉社)は、累計15万部を超えるベストセラーとなった。

 それから9年──。井川氏は6月27日に「熔ける 再び そして会社も失った」(幻冬舎)を出版。本では刑期満了後に向かった韓国のカジノで3000万円の種銭を元手に9億円まで増やしたものの、その後再び"溶かした"こと、シンガポールで1カ月間バカラをやり続けたことを明かしている。

「刑務所に入った瞬間は、あれだけ没入したカジノへの執着はさっぱり消えたんです。カジノだけじゃなく、あらゆる欲望が揮発し、修行僧のような境地に至り、微分積分を学び直したり、ニーチェやフーコーらの哲学書を読み漁っていました。しかし、私の脳髄には勝負師としてすべてを賭け、命がけで戦っていたころの『疼き』が記憶されていたんですね……。あれだけ痛い目に遭ったのに、刑期満了後、急にギャンブルをやりたい欲求が蘇りました。詳細は本に書いた通りです。ただ、19年夏にシンガポールのセントーサ島でバカラを丸1カ月やり続けたら、バカラへの情熱が急に燃え尽きました。これを私は"バカラED"と呼んでいます(笑い)。新型コロナで海外渡航をしにくくなったこともあり、今もカジノは一切やっていません」

 井川氏は名門・筑波大学附属駒場中学校・高等学校から東大法学部に現役合格を果たした秀才だ。バカラから足を洗ってからは、仏教の世界で言うところの「小欲知足」のような静かな生活を送っているという。

 そんな静かな生活を送っている井川氏が今回、二度目の出版に踏み切ったのは、井川氏が獄中に向かう過程で起きた、佐光正義前会長ら現大王製紙経営陣による"井川家排除"のクーデター劇を活字に残しておこうと思ったためだという。きっかけは、19年2月に井川家の2代目で大王製紙の「中興の祖」と呼ばれた、父・髙雄氏が82歳で永眠したこと。井川氏は短気な髙雄氏のことを「暴君」と呼び、中学時代にはゴルフクラブで殴られそうになったこともあったも明かしているが、一方で髙雄氏のことを敬愛していたという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 2

    ふざけるな、石破政権もサラリーマン増税かよ!潰れたはずの「退職金課税」政府税調で再浮上

  3. 3

    ダイエー、イトーヨーカ堂…日本の小売りを支えた都市型総合スーパーが衰退した理由

  4. 4

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  5. 5

    玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致

  1. 6

    裏金自民「企業・団体献金の禁止」そっちのけで「個人献金の税制優遇」だあ?カネ集めのためなら“斬新策”次々

  2. 7

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  3. 8

    野村証券のリテール営業が“崩壊危機”…社員が強盗殺人未遂で逮捕の衝撃

  4. 9

    自民裏金議員12人が“ドサクサ復権”の仰天! 党役職抜擢の全員が政倫審での弁明は拒否した面々

  5. 10

    物議醸す石破首相の「座ったまま握手」は外務省の大失態! 外交デビューにミソ、元国際情報局長バッサリ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇