サンコー 角谷太基社長(1)買う人・つくる人・売る人が幸せになる「三幸精神」

公開日: 更新日:

 女手一つで、4人の子どもを育てることは、並大抵なことではなかったはずだ。母の姿を見ながら育った先代・勝司氏が、幼心に「母親を早く楽にしてやりたい」と思うのは、当たり前のことだった。

 15歳で商売の道に飛び込んだ先代だったが、その道は平坦ではなかった。人見知りが激しく、いらっしゃいませも言えない。すれ違う友人たちは高校に進学し、制服を着て楽しそうに会話をしながら通学をしていて、引け目を感じていたという。

■「人の心に貯金せよ」

「弱音を吐く父を支えていたのが、祖母でした。祖母は父に『人の心に貯金せよ』とよく言ってたようです。人のためになったと思ってこそ、自分のためになる。人さまの心に貯金すると、いつかきっとあなたにもいいことがある。目には見えない無形の財産が生まれて心が豊かになる、祖母は、そういった思いを込めて『人の心に貯金せよ』と伝えていました」

 そんな祖母は、陰ながら子どもたちを支えるために近所の農家の手伝いに出かけては、子どもたちの“貯金”になるように働きかけていたという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…