著者のコラム一覧
小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

もしや世界初? 気になる中国EV「BYD ATTO3」の意外なる次の一手は“車内純正カラオケ”

公開日: 更新日:

BYD ATTO3(車両価格:¥4,500,000/税込み~)

 この手があったか! ひさびさにそう思わされたのは、先日発表された黒船EV、中国BYD ATTO3の“おもしろアップデート”だ。

 BYDはご存じテスラと並ぶ世界最大のEVメーカーで、BEV(バッテリーEV)単独の販売台数ではテスラに負けるが、BEVにPHEVを加えた台数は2023年通年で302万台。これはダントツで世界一だ。その上コストパフォーマンスに優れ、ぶっちゃけ日本メーカーのBEV化戦略に対しては最大のライバルとも言える中国独立系メーカーだろう。

 日本導入は昨年1月年発売のミッドサイズSUVのBEV、ATTO3が初で、発売されてからほぼ1年経った。

 気になる販売実績は、ざっくり2月末までにBYDオートジャパントータルで受注2000台の登録1700台。衝撃の補助金込みで300万円切り!を実現したEV第2弾の超コスパコンパクト、ドルフィンに関しては年末までに248台。新春目標であった1100台を考えると正直奮わないが、中国アレルギーが残る日本で年間2000台はまずます。

アップデートのキモはデジタル系

 中でも大人5人が余裕で乗れ、荷物も積めて400万円台のATT03はなかなかの人気だ。

 そこで今回の戦略発表と共にATTO3のアップデートが行われ、3月1日から10万円アップの税込み450万円で発売したわけだがその内訳が面白い。

 外観は正直ほぼ変わらない。ウィンドウトリムやリアピラーがブラックになったほかリアの「BUILD YOUR DREAM」のロゴがシンプルにBYDになり、さらにブラックのボディカラーやブラック&ブルーのインテリアカラーが増え、サンシェードの厚みが増した程度。

 それよりキモはデジタル系で、今までもサイズ的には日本車以上とも言えたセンタータッチディスプレイが12.8インチから15.6インチに拡大。元々デカかったのが、デスクトップパソコン並みになったといえ、テスラモデル3の15インチと遜色なし。オマケにBYDモニターはスイッチ1つで画角が横から縦に変わるDiリンクなので、ハイテク感はかなり。

純正ではありそうでなかった「車内カラオケ」

 さらに面白いのは、新たに「BYD Store」というスマホのアプリストア的機能が加わったことで、同時に3つの新アプリが導入可能に。それは「アマゾンミュージック」と「検索ブラウザー」と「カラオケ」だ。

 中でも車内カラオケは、今まで乗用車純正ではありそうでなかった純正エンタメで、アプリを立ち上げ、専用USBマイクを使えば車内で歌える。著作権の都合で試せず、単純にカラオケ音源を流せるだけかもしれないが、モニター上で簡単に楽曲が選べるのは面白い。

 これまでも、ハイエースやミニバンなどでは自作で車載カラオケを付ける人はいたし、サードパーティのカーカラオケアイテムはあったが、純正しかもアプリは筆者の記憶では見たことがない。

 スマホで勝手に伴奏流して運転中歌ってるよ! という御仁もおられるだろう。だが、こうやってオフィシャルで車内カラオケが楽しめる。なんともアジアメーカーらしい発想だと思ったのは筆者だけだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  2. 2

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  3. 3

    日経新聞コラム「私の履歴書」で、伊藤忠の“ドン”岡藤正広会長の肝心なネタがスルーされた思惑

  4. 4

    吉村府知事が語った大阪万博の「魅力」に失笑買い話題騒然!地方局TV情報番組で売り込み発言も具体性ゼロ

  5. 5

    開幕まで2カ月も大阪万博ご難続き…入場券販売不振で“政敵”に泣きつき、海外パビリオン完成もわずか数カ国

  1. 6

    「貸金庫事件」の三菱UFJ銀行・半沢淳一頭取の全銀協会長就任にOBらが懸念

  2. 7

    ドミノ・ピザ大量閉店で見えた業界の“地殻変動”…今やライバルは、ピザハットとピザーラだけにあらず

  3. 8

    備蓄米放出でも政府はコメ価格を下げる気なし…識者が見解「相場を維持したい」思惑とは

  4. 9

    ガソリン全国最高値の長野県「石油商業組合」に独禁法違反の疑いでメス! 公取委が重い腰上げた裏に自民の弱体化か

  5. 10

    大阪万博“引き抜き人事”に労組が抗議書提出の異常事態…府職員からは「通常業務さえままらない」の悲鳴

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…