大統領選はプーチン通算5選確実…“IT帝政国家”ロシア当局が電子投票を促す仰天の実態
ハナから結果が見えているロシア大統領選の本番が現地時間15日、始まった。投票日は17日まで。プーチン大統領の通算5選が確実視される中、コロナ禍を理由に下院選などで導入された「3日間投票」を初適用。3年目に突入したウクライナ戦争で西側諸国から敵視されるプーチン大統領が、圧倒的な支持の演出を狙っているのはミエミエだ。プーチン史上最高の「投票率70%」「得票率80%」を目指しているという。一方、獄死した反体制派指導者ナワリヌイ氏の夫人は、最終日正午の一斉行動を呼び掛けている。核大国ロシアはどこへ向かうのか。
筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう指摘する。
「不正選挙はロシアでは珍しくないため、15日と16日に用紙投票した分は書き換えられる懸念が広がっています。ナワリヌイ氏の遺志を引き継いだ妻のユリア氏が17日正午に投票所へ行くよう呼び掛け、『投票用紙にナワリヌイあるいは他候補の名前を書こう』『投票用紙を持ち帰るか破り捨てよう』と訴えているのは、合法的手段で不正にあらがうためです。これに反応した検察が『17日正午にモスクワ市内の投票所に出向けば身柄を拘束し、最大5年の禁錮刑に処する可能性がある』と発表して牽制するなど、メチャクチャな事態になっています」