「肥満症薬」がテスラを超えた! 有望株が次々と出現する米国市場の強さ
アップルやエヌビディアなどの「マグニフィセント・セブン(M7=壮大な7銘柄)」にマネーが集中し、上昇を続けてきた米国市場に、新たな有望株が登場した。「肥満症治療薬」である。
開発で先行したのはデンマークの製薬大手ノボノルディスクで、2021年6月に「ウゴービ」を米国で実用化した。さらに、23年11月には米イーライリリーが「ゼプバウンド」を米食品医薬品局(FDA)から承認され、販売を開始した。この欧米2社の株価は今年になり急騰し(ともに昨年末比3割高)、両社の時価総額はM7の一角のテスラの時価総額を上回った。2社の肥満症薬の販売が欧米で爆発的に伸びており、収益貢献の期待が大きいのである。
アナリストの試算によれば、22年には24億ドル(約3600億円)だった世界の肥満症薬市場は、30年には何と40倍強の1000億ドル(約15兆円)に拡大する見込みだ。肥満症薬はがん治療薬に次ぐ成長分野である。世界の肥満人口は増加傾向にあり、世界保健機関(WHO)によれば、1975年の3億人から現在は約3倍の10億人を超えるという。