急激な円安進行に政府日銀は“異次元の対策”を 「外国為替資金特別会計」活用《今でしょ》の声
■まさに今が「市場に急激かつ過度な変動が生じた場合」ではないのか
急激な円安で含み益も膨らんでいるといい、国会会議録などを見ると、2023年3月末の外為特会貸借対照表の内部留保額は約28.8兆円で、うち、為替評価差益が約19.5兆円。同月末の外為特会の資産残高は約169.7兆円で、1ドル=230円台だった約40年前の1983年3月末(残高は約13.8兆円)と比べて約156兆円も増えている。
財務省はこの財源の一部を防衛費などにも支出する考えを示していた上、そもそも「外国為替相場の安定」のために設けられているのだから、今こそ活用するべきだろう。2024年3月末の外貨準備高は1兆2906億600万ドルで、2月末と比べて91億2200万ドルも増加しているのだ。
2023年12月5日の参院外交防衛委員会で外為特会の財源化が議論された際、財務省大臣官房参事官は「財源確保のために外貨を円に替えるのは、実質的に外貨売り、円買いの為替介入そのものになります。為替介入は、G7などでの国際的な合意におきまして、過度な変動や無秩序な動きへの対応のために行われることとされておりまして、財源確保のために外貨準備を取り崩すことは適当ではないと考えております」と言い、こう続けていた。
「市場に急激かつ過度な変動が生じた場合に自国通貨を買い支えるために十分な額の外貨資産を保有しておくことは重要」
まさに今が「市場に急激かつ過度な変動が生じた場合」ではないのか。小出しの逐次投入はやめて、ドーンと異次元レベルで活用してはどうか。