NTT(下)ドコモ新社長はリクルート出身の転職組 NTT生え抜き以外では初めて
生臭い話を報じるメディアもある。
〈「栗山氏は内示を受けて激怒したらしい」「ドコモ・グローバルは単に海外事業を寄せ集めただけで、栗山氏のために用意されたポストなのではないのか」などとの噂が流れる〉(「日経クロステック」5月15日付の要旨)
ドコモが開発したiモードは一世を風靡したが世界標準になれなかった。携帯機器メーカーはヨーロッパの通信規格を取り入れたからだ。iPhoneの登場でスマホ時代に本格的に入り、日本のメーカーの製品はガラパゴスと酷評された。
NTTは次世代通信規格「IOWN(アイオン)」で、iモードが果たせなかった世界標準に挑戦する。ドコモがIOWNの仕様や規格を担う。
NTTのエリートコースを歩んできた栗山氏ではなく、前田氏が社長に就任することは、見方を変えれば、ドコモ出身者がトップに復帰することを意味する。コンテンツを中心に勢いがあったiモード時代のドコモに、再び戻ることを期待しての、澤田氏の大抜擢であった、かもしれないのだ。
「転職組」の前田氏が、大きな期待に応えることができるかが問われている。〈栗山氏は多くの人が認める実力派。(彼を外したことによる)NTTの将来を心配する声まであった〉(前出の日経クロステックから)。前田氏にはこうした世評を余計なお世話と、背負い投げにする気概を持って欲しい。