著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

NTT(下)ドコモ新社長はリクルート出身の転職組 NTT生え抜き以外では初めて

公開日: 更新日:

 生臭い話を報じるメディアもある。

〈「栗山氏は内示を受けて激怒したらしい」「ドコモ・グローバルは単に海外事業を寄せ集めただけで、栗山氏のために用意されたポストなのではないのか」などとの噂が流れる〉(「日経クロステック」5月15日付の要旨)

 ドコモが開発したiモードは一世を風靡したが世界標準になれなかった。携帯機器メーカーはヨーロッパの通信規格を取り入れたからだ。iPhoneの登場でスマホ時代に本格的に入り、日本のメーカーの製品はガラパゴスと酷評された。

 NTTは次世代通信規格「IOWN(アイオン)」で、iモードが果たせなかった世界標準に挑戦する。ドコモがIOWNの仕様や規格を担う。

 NTTのエリートコースを歩んできた栗山氏ではなく、前田氏が社長に就任することは、見方を変えれば、ドコモ出身者がトップに復帰することを意味する。コンテンツを中心に勢いがあったiモード時代のドコモに、再び戻ることを期待しての、澤田氏の大抜擢であった、かもしれないのだ。

「転職組」の前田氏が、大きな期待に応えることができるかが問われている。〈栗山氏は多くの人が認める実力派。(彼を外したことによる)NTTの将来を心配する声まであった〉(前出の日経クロステックから)。前田氏にはこうした世評を余計なお世話と、背負い投げにする気概を持って欲しい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」