NTT(下)ドコモ新社長はリクルート出身の転職組 NTT生え抜き以外では初めて
携帯電話向けのインターネット接続サービス「iモード」を立ち上げた夏野剛氏(現KADOKAWA社長)の誘いを受け、開発チームに加わった。情報配信や音楽配信など新しいサービスを次々と世に送り出した。
それから四半世紀近く経ち、転職組として初のトップの座を射止めた。
前田氏の社長就任はサプライズだった。転職組がトップに就いたことだけではない。本命視されていた人物が外れたことで経済誌が一斉に動いた。
ドコモ次期社長と有力視されていたのは、国際事業や財務を統括する栗山浩樹副社長(62)だった。東京大学法学部卒で、ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了。NTTで経営企画、社長室長など中枢部門を歩き、東京五輪・パラリンピック担当だった。10年以上前から「将来はNTT持ち株会社の社長」の呼び声が高かった人物である。
22年6月、前田氏と同じタイミングでドコモの副社長に就任。経歴と年齢面から、栗山氏の社長昇格が既定路線との下馬評が高かった。しかし、今回の人事で、栗山氏は7月に新設するグローバル事業の統括会社、NTTドコモ・グローバルの社長になる。