おてつたび 永岡里菜社長(1)旅をしながら人手不足の地域でお手伝い
おてつたびは、人手不足に悩む地域の事業者と、働きながら旅を楽しみたい個人をつなぐ人材マッチングサービスだ。
「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語を社名、事業名にしている。
仕事は宿泊施設の清掃・接客、農家での収穫作業、梱包・発送業務のほか、最近では酒蔵の仕込み、空き家のDIYなど仕事の幅も広がってきている。
日数は1日から2カ月くらいまでさまざまだが、1週間から10日間というものが多い。交通費は自己負担になるが、寝泊まりする部屋は、受け入れ先が用意する。
そのため、ユーザーは旅費を節約しながら報酬を得て、空き時間には旅を楽しめるというメリットがある一方で、事業者にとっては短期的・季節的な人手不足を解消できるというウィンウィンのシステムになっている。
地方や離島などでは人口が減少しており、求人広告を出しても繁忙期が重なるとなかなか人が集まらず、困っている事業者は多い。その点、おてつたびでは旅の要素も加わっているため、全国各地から人が集まりやすい。
「事業者の方々から、『こんなに全国から来てくれるとは思わなかった』と、喜ばれています」と、永岡里菜(33)は語る。
永岡は三重県尾鷲市の出身。大学進学とともに上京した。