おてつたび 永岡里菜社長(1)旅をしながら人手不足の地域でお手伝い

公開日: 更新日:

東京に憧れて上京したが

「表参道とか渋谷とか、東京への憧れがすごくあったんです。半面、少し怖そうなイメージもあったので、隣県にある千葉大学を選びました」

 尾鷲は漁業と林業が盛んで、景色が美しく、地元の人たちも優しい。しかし、観光名所がないせいか、知名度はいまひとつだ。

 上京してからは、「尾鷲? どこそこ?」と聞かれることが多く、尾鷲に行ったことがある人は、周囲にはほとんどいなかった。

 東京に憧れて上京した永岡ではあったが、住み慣れてみると、どこか味気なさを感じるようになり、ふるさとの魅力を再認識した。

 さらには、地域活性化事業に取り組む会社に勤め、全国を飛び回るうちに、尾鷲と同じように、知名度は低くても魅力にあふれる地域がたくさんあることに気がついた。

「これらの地域にもっとスポットライトがあたるような世界をつくりたい」という思いが、永岡の胸に募っていく。

 その後、試行錯誤を重ねながらも、人手不足に悩む地域の声を聞いたのをきっかけに、永岡はおてつたびというビジネスモデルを生み出したのだった。

 2019年1月にサービスを開始して以来、ユニークなビジネスモデルが注目を集め、クチコミやリピーターも多く、利用者はぐんぐん伸びていった。

 現在、登録ユーザーは約5万6000人、登録事業者は約1400件までに膨らんでいる。(つづく)

(ジャーナリスト・林美保子)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…