婚姻数が戦後初の50万組割れ 「お金がなければ…」若者が結婚しない切実な理由
先週(11月26日号)、2024年に生まれる日本人の子供の出生数70万人割れについて書いた。この取材の中で結婚、子育てで未婚の若い男女の意識・行動は大きく変化してきたことに驚いた。少子化に影響しているその背景を追取材した。
「お金がなければ子供は産めない」。内閣府男女共同参画会議専門委員で、中央大学教授の山田昌弘氏が学生たちに「少子化問題」について尋ねると、男女とも同じ言葉が返ってきたという。とくに男子学生からは、
「今後就職して普通の給与をもらっても、子供が2人いたら2人を大学に行かせることは無理。自分の給与では結婚もできないし、子供をつくることはさらに無理です」
女性は結婚相手により人生が変わる可能性が大きいといえるが、男性は自分で家族を支えなければいけないという意識が強い。それだけに結婚は重荷になると考える若者が多く、婚姻数が戦後初めて50万組割れとなった大きな要因といえる。学生たちの声はまさに「少子化傾向」を象徴するそのものではないだろうか。
こうした未婚男女の意識は、国立社会保障・人口問題研究所が実施している、若者や子育て世代の結婚や出産をめぐる行動や意識の変化を捉えた「出生動向基本調査」にはっきり表れてくる(5年ごとに調査、2022年9月公表)。気になった結果を挙げてみる。